Michikusa道草

HUNTER

この世界には様々な界隈に「ハンター」と呼ばれる者が存在する。

その中で凄腕と噂されるハンターはわずか一握りの存在。

 

そう・・・そして私はその中の一人だ。

 

小さな白球を鈍いスイングで山や池に打ち込んでいく。

狙いを定める必要はない。

 

私ほどの凄腕になると吸い込まれるように

白球に意思があるかのように眼前から

追跡する事も出来ない早業で消えていくのだ。

その腕に狂いはない。。。

 

そのような私はこの界隈では常にリーディングボードの最下位に鎮座し、

その名前は光り輝いていたのだ。

 

「敢闘賞」という名を欲しいままにしていた。

そして毎年賞品をさらって静かに去っていくのだ。

このような私は周りから「賞品稼ぎのハンター」とヒソヒソと語り継がれていた。

 

ここ15年ほど凄腕のハンターとして名を馳せてきた私だが・・・

ついに終焉を迎える時が来た。

 

昨年暮れ、私の指定席であった最下位に私の名前はなかった。

そして、その2つ上の位置にかつての賞品稼ぎの名前はあったのだ。

 

指定席から脱出の歓喜と惜別の複雑な気持ちを胸に

今年もまた「賞品稼ぎのハンター」に返り咲く事なく、腕を磨き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

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