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中国産レイシ(ライチ)及びその加工品について

平成21年7月10日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より以下の通り通知がありました。

(前略) 今般、モニタリング検査の結果、中国産冷凍ライチにおいて食品衛生法違反の事例があったことから、下記により検査等の実施方よろしくお願いします。

                    記

1 対象食品

  中国産レイシ(ライチ)及びその加工品(簡易な加工に限る。)

 2 検査項目及び検査頻度

(1)該当する製造者が包装又は輸出した1の食品が輸入届出された場合は、貨物を保留の上、輸入者に対し、4-クロルフェノキシ酢酸に係る自主検査を実施するように指導すること。

(2)1の食品について、残留農薬(4-クロルフェノキシ酢酸を含む)に係るモニタリング検査の頻度を30%に引き上げて対応すること。なお、自主検査について、登録検査機関において対応できない場合にあっては、対応可能となるまでの間、行政検査にて対応すること。

【ワンポイント解説】

モニタリング検査について以前説明したことがありますが、厚生省が直接検査を行うことであり、ここでは30%に引き上げるとされている。30%の確率となると当然ながら10件食品の届出があった場合3件を検査するということになる。命令検査はここでいう頻度では100%であることを考えると、この頻度については引き上げたにもかかわらず30%という数値は、決して多くはなく、この頻度で大丈夫なのか。と思われるかもしれないが、もっと掘り下げると残留農薬とはすべての農作物、魚及び肉(関係ないようだが餌、飼料に使用される作物に含まれている可能性がある為。)に検出される恐れがある。つまり、今回のように検出されると残留農薬の検査を行う品目が増え続けてゆくことは容易に想像出来るだろう。

検査の頻度は消費者からするとすべて100%検査してもらいたいし、厚生省も食の安全の為にはそれが理想であるはずだ。しかしながらそうしないのは検査の為に食品の流通に支障をきたしたり、安全な品目まで検査する事になると検査費用としての荷主の負担が増え、検査機関の人手が不足するなど様々なところに影響が出る。

輸入食品の検査頻度とは安全と貿易のちょうど良いバランスの上で成り立っているのである。

今回の該当する製造者について詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせ下さいませ。

文章作成者:門司営業所 林

タイ産レモングラスについて

平成21年7月2日付けで医薬食品局食品安全部監視安全課より通知がありました。以下の通りです。

-前略-今般、輸入時のモニタリング検査において、タイ産レモングラスから基準値を超えるEPNを検出したことから、下記の通り検査命令を行うこととしましたので、御了知の上、関係営業者への周知方よろしくお願いします。

                記

1.製品検査の対象食品 : タイ産レモングラス及びその加工品(簡易な加工に限る。)

2.検査の項目 : EPN

3.検査の頻度 : 輸入者に対し、輸入届出ごとの全ロットについて製品検査を受けることを命ずること。

-以下略-

 【ワンポイント解説】

皆さん、レモングラスをご存知ですか。私は知りませんでした。調べてみるとイネ科の植物で(たしかに稲のような葉をして)レモンのような匂いがするハーブだそうです。用途としてはハーブティやそのままスープ(トムヤムクン)に使ったりとの事。近年、日本の食文化の多様化に伴い東南アジア料理の食材として輸入されているようです。そのレモングラスからEPNが検出された事によって命令検査になるという旨の通知です。EPNとは毒物の一種で、今回の場合は現地にて消毒される際の農薬に含有されているものが残留していたと考えられる。(文章だけ読むと消毒する農薬に毒が含まれているとなるがもちろん、そういう意味ではない。)

ちなみにEPNは物質名の略であるが、正式には『エチルパラニトロフェニルチオノベンゼンホスホネイト』という長い名前が付いている。